Firefox 60 for developers
Firefox 60 は、米国時間 2018 年 5 月 9 日にリリースされました。このページでは、開発者に影響する Firefox 60 の変更点をまとめています。
Android 版 Firefox 60 に Stylo を導入
Firefox の新しい並列処理 CSS エンジン は、 Quantum CSS または Stylo とも呼ばれ、デスクトップ版 Firefox 57 で始めにデフォルトで有効化されたものですが、Android 版 Firefox で有効化しました。
ウェブ開発者向けの変更点一覧
>開発者ツール
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CSS ペインのルールビュー (CSS の調査と編集 をご覧ください) で精密に値を増減する (0.1 ずつ増減) キーボードショートカットを、Linux および Windows で OS の既定のショートカットと衝突しないようにするため、
Alt+Up/DowntoCtrl+Up/Downに変更しました (Firefox バグ 1413314)。 -
CSS ペインのルールビューで、CSS 変数名 の自動補完が可能になりました (Firefox バグ 1422635)。プロパティの値に
var(と入力してダッシュ (-) を押下すると、CSS で宣言した変数を自動補完のリストに表示します。 -
レスポンシブデザインモード で、タッチのシミュレーションを切り替えたときやシミュレーションするユーザーエージェントを変更したときにページを自動的に再読み込みする機能を有効化/無効化できる、Reload when... ドロップダウンメニューを追加しました。詳しくは ページ再読み込みの動作を制御する をご覧ください (Firefox バグ 1428816)。
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設定項目
view_source.tabを削除しましたので、ソース表示 モードを新しいタブか新しいウィンドウで選ぶことができなくなりました。ページのソースは、常に新しいタブで表示されます (Firefox バグ 1418403)。
HTML
designModeおよびcontenteditableの状況で、ブロックレベルの編集ホストの子であるインライン要素またはテキストノードの内部にキャレットがあるときに Enter キーを押下すると、<div>要素を挿入するようになりました。以前は、<br>要素を挿入していました。アプリで以前の動作を望む場合は、document.execCommand()で実現できます。詳しくは マークアップ生成の違い をご覧ください (Firefox バグ 1430551)。
CSS
align-content、align-items、align-self、justify-content、place-contentプロパティの値を、最新の CSS Box Alignment Module Level 3 仕様書に従って更新しました (Firefox バグ 1430817)。paint-orderプロパティを実装しました (Firefox バグ 1426146)。
SVG
変更なし。
JavaScript
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ECMAScript 2015 モジュールを、デフォルトで有効にしました (Firefox バグ 1438139)。詳しくは ES6 In Depth: Modules および ES modules: A cartoon deep dive をご覧ください。または、MDN のリファレンス文書を確認してください。
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Array.prototype.values()メソッドを再び追加しました (Firefox バグ 1420101)。互換性の問題のために無効化されました。このメソッドを独自に実装していないことを確認してください。
API
新規 API
- ウェブ認証 API を有効化しました (Firefox バグ 1432542)。
DOM
- ウェブ認証 API で、
MakePublicKeyCredentialOptions辞書オブジェクトがPublicKeyCredentialCreationOptionsに改名されました。これを Firefox でも実施しました (Firefox バグ 1436473)。 - 設定項目
dom.workers.enabledを削除しました。すなわち、ワーカーを無効化できなくなりました (Firefox バグ 1434934)。 bodyプロパティをDocumentインターフェイスに実装しました。以前はHTMLDocumentインターフェイスにありました (Firefox バグ 1276438)。PerformanceResourceTimingがワーカーで使用可能になりました (Firefox バグ 1425458)。PerformanceObserver.takeRecords()メソッドを実装しました (Firefox バグ 1436692)。- アクティブなキーボードレイアウトが ASCII 文字を生成しない場合でも、句読点キーの
KeyboardEvent.keyCode属性は 0 ではない値になります。詳しくはこちらをご覧ください。新しいアプリケーションではKeyboardEvent.keyCodeを使用しないようにしてください。代わりにKeyboardEvent.keyまたはKeyboardEvent.codeを使用します。 Animation.updatePlaybackRate()メソッドを実装しました (Firefox バグ 1436659)。- 句読点キーの keyCode の値 を決定するための新しい規則を導入しました (Firefox バグ 1036008)。
- Gecko 限定の option オブジェクトである、
IDBFactory.open()メソッドのstorageオプション (Experimental Gecko options object もご覧ください) が非推奨になりました (Firefox バグ 1442560)。 - プロミス が IndexedDB のコード内で使用可能になりました (Firefox バグ 1193394)。
DOM イベント
変更なし。
サービスワーカー
変更なし。
メディアと WebRTC
getUserMedia()を使用して取得したメディアを録画または共有するとき、対応するトラックのMediaStreamTrack.enabledプロパティをfalseに設定してカメラをミュートすると、カメラを使用していないことをユーザーにわかりやすくするために、カメラが "使用中" であることを示すランプを消灯するようになりました (Firefox バグ 1299515)。詳しくは MediaDevices.getUserMedia() の User privacy をご覧ください。また、こちらのブログ記事 もご覧ください。removeTrack()を使用してRTCPeerConnectionからトラックを削除するときに、getSenders()が報告する送信者のピアコネクションのリストからトラックのRTCRtpSenderを削除しないようになりました (Firefox バグ 1290949)。RTCRtpContributingSourceおよびRTCRtpSynchronizationSourceオブジェクトのタイムスタンプは、以前はDate.getTime()が返す値に基づいて報告されていました。Firefox 60 で、正しく Performance Timing API を使用するように修正しました (Firefox バグ 1433576)。- 仕様書に合わせて
ConvolverNode()コンストラクターで、参照されるAudioBufferのチャンネル数が 1、2、あるいは 4 でない場合にNotSupportedErrorが発生するようになりました (Firefox バグ 1443228)。 RTCPeerConnectionで廃止されたイベントハンドラーであるRTCPeerConnection.onremovestreamを削除しました。代わりにremovetrackイベントを使用するべきです (Firefox バグ 1442385)。RTCDataChannelはDataChannelの別名ではなく、RTCDataChannelそのものが本名になりました。DataChannelという名前はサポートしません (Firefox バグ 1173851)。
Canvas と WebGL
- 設定項目
privacy.resistFingerprintingがtrueである場合に、WEBGL_debug_renderer_infoWebGL 拡張が無効になります (Firefox バグ 1337157)。
CSSOM
変更なし。
HTTP
変更なし。
セキュリティ
X-Content-Type-Optionsヘッダーでno-sniffを設定したときに、JavaScript の MIME タイプの仕様に従うようになりました。特に、text/jsonおよびapplication/jsonは有効な値ではなくなりました (Firefox バグ 1431095)。
プラグイン
変更なし。
その他
- 資格情報を含むフェッチと資格情報を含まないフェッチが、接続を共有できるようになりました。例えば同じオリジンからウェブフォントと資格情報が設定されたユーザーデータを同じ CDN へ要求するときに、どちらも同じ接続を共有することにより、応答が早くなる可能性があります (Firefox バグ 1363284)。
ウェブプラットフォームから廃止
>HTML
変更なし。
CSS
- 独自仕様である
-moz-user-inputプロパティのenabledおよびdisabled値が使用できなくなりました (Firefox バグ 1405087)。 - 独自仕様である
-moz-border-top-colors、-moz-border-right-colors、-moz-border-bottom-colors、-moz-border-left-colorsプロパティを、プラットフォームから完全に削除しました (Firefox バグ 1429723)。
JavaScript
- 非標準の 式クロージャ 構文を削除しました (Firefox バグ 1426519)。
API
変更なし。
SVG
変更なし。
その他
変更なし。
アドオン開発者と Mozilla 開発者向けの変更点
>WebExtensions
テーマ API:
- headerURL が省略可能になりました。
- ブラウザー テーマ を作成するとき、
headerURLが指定されていない場合は、ヘッダーテキストに適用されているtext-shadowを削除します (Firefox バグ 1404688)。 - 新たにサポートしたプロパティ:
- tab_line
- tab_selected
- popup
- popup_border
- popup_text
- tab_loading
- icons
- icons_attention
- frame_inactive
- button_background_active
- button_background_hover
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